こんにちは。青砥美穂です。
今回は、子どもの「問題行動」とその「解決」について少し考えてみたいと思います。
子どもの様子がなんだかおかしい、どうしてこんなことを。。と思うようなこと、子どもが思いも寄らないネガティブな行動をしてしまうことが、子どもが成長していく過程では何度かあると思います。
そんなとき、自分を責め、子どもを責め、どうしようもない怒りと悲しみを抱え、頭の中はその問題でいっぱいになってしまいませんか。
実は、子どもが何か問題行動をするとき、その問題にフォーカスし過ぎないことがとても大切かもしれません。
なぜならその問題だけをみていたら根本的な解決につながっていかないことが多いからです。
以前、親のお財布からお金をとるということを繰り返す中学生がいました。親御さんは、ひどく落ち込み、激しく叱り、何度もその子に「なぜお金をとることがいけないことなのか」を説明し、二度としないように約束しました。
ですが、幾度となく繰り返してしまうのでした。どれだけ叱っても、どれだけ言い聞かせても、何度約束しても解決しないと親御さんは途方に暮れていました。親子関係もどんどん悪くなっていきました。
そんなある日、ついにその子が打ち明けてくれました。
実は、学校でお金を持ってくるように言われていて、持っていかないといじめられるからお金が必要だと。
当然、お金をとることがいけないことだなんてその子はわかっていたのです。が、いじめられたくなかったし、自分がそんな状況にいることを親に言って心配をかけたくもなかったのです。
それなのに、学校でも辛い思いをし、家でもこっぴどく叱られ、もはやその子は何をどうしていいのかわからないパニック状態になっていたのでした。
このように、子どもが問題を起こすときは、子ども自身も何かに苦しんでいることがほとんどです。それなので、問題自体ではなく、その背景に何があるかというのをみることが解決をしていく上ではとても重要になってくると思います。
他にも、宿題をしていないのにいつも「もう宿題は終わった!」と嘘をつく小学生がいました。「宿題をやりたくないから嘘をついている!」「嘘はいけない!」と親御さんが毎回時間をかけて話して聞かせましたが、一向になおりません。
一体どうしたのかその子の話をよくよくきいてみたところ、宿題をやったと嘘をつくと忙しい親が自分のことを心配してたくさんかまってくれるから、それが嬉しくて宿題をやらない、と打ち明けてくれました。
子どもたちは(子どもたちに限りませんが)、かまって欲しい人にポジティブなアテンションがもらえないとき、ネガティブなアテンションでもいいから得ようとします。子どもたちにとっては、構ってもらえないことが一番辛いことなのです。かまってもらえないくらいならネガティブでもいいから欲しいとあらゆる年齢の子どもたちが求めているのをたくさんみてきました。
ですからやはり、問題だけにフォーカスしていたら解決に繋がっていかない、むしろ状況が悪化してしまうケースも多いということ、覚えておきたいです。が、大変なときにそれを思い出すのはなかなか難しいかもしれません。
そんなときにこんなメッセージを覚えておくのはいかがでしょう
「あなたはそんな子じゃないってわかってるよ。どうしたの?」
この世に本当は悪い子どもなんて一人もいない、何か問題があるときは、きっと何かわけがあると子どもたちに何度も教えてもらい、大切にしているメッセージです。このメッセージを込めた声がけをその子や状況に合わせてさせてもらっています。
もちろん、これと同じ言葉じゃなくても、みなさんがかけたくなる言葉、あらかじめ用意しておくのはいかがでしょう。
辛い思いを抱えた子どもたちがふっと楽になってくれるかもしれない言葉、かけさせてもらいたいですね。
みなさんも良い言葉を思い付かれたら是非共有してください!