こんにちは。青砥美穂です。
いよいよ子どもたちの夏休みが始まりますね!我が家の3歳の娘もすでに幼稚園がお休みになって、夏休みが始まりました。一時保育に出かける日もありますが、それ以外は毎日家や外で色んな遊びを創り出しています:お買い物ごっこ、お絵描き、プール、レゴ、水たまり遊び、草や廃材のアクセサリーづくり、創作ダンス、替え歌 などなど
幼い子どもはみんな、とってもクリエイティブですよね!最近注目を浴びることも多くなってきたこの「創造力(クリエイティビティ)」この素晴らしい力をどんなふうに大切にしていけるか、伸ばしていけるか、逆にどうしてある時から失われることが多いのか、多くの方が考えていらっしゃるかもしれません。
今回のテーマは、この「創造力(クリエイティビティ)」についてです。
生徒と経験した一つの例と話し合った3つのポイントとともにご紹介させてください:
数年前のことです。漫画や小説を描くのが大好きなRちゃんという小学4年生がいました。時間ができては色んなお話を考え、丁寧に登場人物を書き出し、素敵なストーリーをつくって、分厚いノートにいくつもの作品を書いてきては見せてくれていました。恋愛ものの話が多く、いつもワクワクドキドキするストーリーと登場人物の目の輝きが私は大好きで、毎回彼女の漫画や小説を読むのをとても楽しみにしていました。
ところが、ある日
「小説も漫画ももうやめることにした!」とRちゃんが言い出しました。
あんなに好きであんなに楽しそうに取り組んでいて、将来は漫画家か小説家になりたいといってたのに...
私は驚いて、訳をきいてみました。
すると、その漫画や小説を読んでくれていた友人たちに、
「そのストーリーはよくある話だよね」とか、「やっぱりプロに比べると絵も文章も劣るよね」
などと言われ、すっかり自信もやる気もなくなってしまったからとのことでした。
彼女のこの件に限らず、子どもたちの素敵な想像や創造への取り組みが、外部からの評価によって小さくなってしまったりしぼんでしまったりすることは非常に多いのではないでしょうか。創造は、邪魔されないことも一つとても大切な要素な気がしていますが、なかなかそんな環境もないでしょう。
では、どんなふうに子どもたちの創造を応援させてもらったり、自身の創造を守る力に変えてもらったりできるでしょうか。
試行錯誤しながら、一緒に以下の三点を話し合ってみました:
① 「自分にとっての新しさや出来栄えの良さ」と「外からの評価」を分けて考える
② 自分の創造に対する気持ち(好き!楽しい!)を大切にする
③ 外からの学びも大切にし、楽しみ、取り入れていく
① 「自分にとっての新しさや出来栄えの良さ」と「外からの評価」を分けて考える
今回のRちゃんのケースでは、友人に「新しくない」とか「上手じゃない」と言われたこと、つまり他者からの評価によって、自分の大切なものを手放そうとしていました。ですが、Rちゃん自身の評価はどうでしょうか。まずはそこを話し合い、「自分にとっての新しさ」や「自分にとっての出来栄えの良さ」を大切にする重要性に着目してみました。
子どもたちが創り出すものの多くは、大人たちからみたり、大人がつくったものと比べると新しくなかったり出来栄えがよくないと感じるものも多いかもしれません(そうでないケースも本当はすごく多いと思いますが)
ですが、外部の評価とは別に、自分にとっての「新しさ」や「素晴らしさ」を積み重ねていくうちに、磨かれてさらに素晴らしいものができあがっていくのだと思います。どんな素晴らしいアーティストも作家もそういうことを積み重ねられた人たちなはずです。
Rちゃんは、自分の作品についての自分の評価はまったくしてこなかったようで(多くの場合そうだと思います)人の目ばかり気にしていたと気づき、
「自分の作品の『良くできたポイントリスト』をつくってそれを増やしていく!」と張り切り出しました。
②自分の創造に対する気持ち(好き!楽しい!)を大切にする
そもそも、漫画や小説を描くことをとても楽しんでいたRちゃん。もちろん評価も気になるところだけれど、純粋にそれを楽しむ気持ちも大切にしてみたいねという話し合いをしました。
①にも通じることですが、「外からどう見えるかにばっかりに気を取られて、自分がどうしたいのかということを置き去りにしてしまうのはもったいない!」とRちゃんも言い出しました。自分の「好き!」「楽しい!」はやっぱり大事にしていきたいですよね。
③ 外からの学びも大切にし、楽しみ、取り入れていく
Rちゃんは、自分で小説や漫画を描くのも大好きですが、他の人やプロがつくったものを読むのも大好きです。それもどんどん楽しんで続けて、学びとして自分の作品にもいかしていくのは素晴らしいことだと思います。
それなので、①②で自分の評価や自分の好き&楽しみを大切にし、最後は、外からの学びも取り入れる楽しさ、大切さを話し合いました。
「次回から、自分の小説や漫画以外にも、プロの人の小説や漫画で面白かったものや良いなと思ったポイントもノートに書いてくる!」と張り切り出したRちゃん。再び、漫画と小説の創作活動を楽しみ始め、自分や他の人の作品の良いポイント、新しいポイント、学びなど毎回楽しくディスカッションさせてもらいました。
このやりとりで私も本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。
数年経った今、彼女は動画づくりに凝り出しています。きっとこれからも自分の「創造」を大切にしていくことでしょう。私も、他者の評価が気になって自分の「創造」を止めてしまいそうになるといつも彼女のことを思い出します。
みなさんは、子どもたちやご自身の想像力を大切に育むためにどんなことをされていますか?もし素敵なエピソードがあればぜひ教えてください!
子どもたち(大人たちも)一人一人の素晴らしい「創造力」、大切にしていけたらいいですね。これからも試行錯誤、頑張りたいです(^_^)
お読みいただきありがとうございました。
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