こんにちは、青砥美穂です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
今回から、いただいているお悩みを一緒に考えていく回も取り入れていきたいと思っています。
皆さんのお悩みや感想もよろしければコメント欄やメールでご共有ください。全てとはいかないかもしれませんが、少しずつ取り上げさせていただければと思っておりますm(__)m
さて、今日いただいているお悩みは4歳児のお母様からの相談です:
4歳になる息子がyoutube依存症気味で困っています。私が仕事や家事をするときに一人で静かにしていて欲しくてyoutubeをみせていたのが始まりで、そこからyoutubeにハマってしまい暇さえあれば観たがります。観せないと泣き喚くこともあります。。4歳の子どものyoutubeとの付き合い方、また、仕事や家事で忙しいときにyoutube以外の方法をどんなふうに見つけられるか、アドバイスがあればお願いします。
似たような悩みを抱えていらっしゃる方はすごく多いのではないでしょうか。特に、コロナ禍で保育園や幼稚園がお休みになってしまい、どうしても子どもに静かにしていて欲しいとき、youtubeや動画コンテンツを利用して、その結果寝ても覚めても動画を見たがるようになってしまったというお話は少なくありません。
それなので、今回はこのご相談をもとに
● Youtubeなど動画コンテンツの強みと活かし方
● 動画コンテンツ以外の「一人の熱中」をどうつくっていくか
について、考えてみたいと思います。
もちろん唯一解はないのですが、一つのアイデアとしてお読みいただければ幸いです。
● Youtubeなど動画コンテンツの強みと活かし方の例
まず、どのタイミングで動画コンテンツをお子さんのワールドに導入するかはご家庭ご家庭の価値観をもとに検討されるのがいいと思いますが、導入後に関しては、強みを活かしながらうまく付き合っていけたらマイナスではなく大きなプラスとして活用できるすごい可能性が秘められていると思っています。せっかくあるものなので、否定するよりも賢く利用したいですよね。
では、どんな利用の仕方があるでしょうか。
みなさんご存知の通りyoutubeをはじめとする動画コンテンツはとても刺激が強く、子どもに限らず大人も、強く、長く、注意を奪われてしまいますよね。本当にすごいなあと思います。
これは、学習に活かすことができたら、集中力を長く保つことができ、記憶定着率も高そうで、非常に有意義なのではないでしょうか。オフラインではなかなか学べないこと、飽きやすかったりつまらなかったりすることを楽しく効果的に学べる可能性が高いと思います。例えば幼児たちなら、さまざまな言語で配信されている子どもが好きそうな音楽や伝えたいメッセージが含まれているストーリー、実際にはなかなかみることのできないものなどはいかがでしょう。言語は、ペラペラに話すようになるということではなく、音に対して大人よりずっと敏感な幼児が色んな言語のネイティブの発音を楽しくきいて積み重ねていけることは非常にラッキーなことです。
また、幼い頃からテクノロジーに触れ、感性を磨くというのも一つかもしれません。これはテクノロジーだけに限ったことではなく、自然やアートなどに関してもいえることですが、幼い頃からさまざまな本物にふれていくことは子どもたちの色んな可能性に繋がっていくのではないでしょうか。
子どもと一緒に時間を決め、意識して効果的に取り入れてみるということは、私自身も娘と一緒にトライしていきたいと張り切っていることです。
● 動画コンテンツ以外の「一人の熱中」をどうつくっていけるか
さて、次は「親がどうしても忙しくて子どもと時間をつかえないとき、動画以外で子どもに『一人で熱中』してもらうには?」について考えてみたいと思います。
まずここで考えてみたいことは「子どもの一人集中/熱中時間」についてです。この「子どもの一人集中/熱中時間」は、実はものすごい可能性を秘めています。ここから子どもたちは「主体的に」多くのことを学びますし、とても大切な「楽しむ力」しかも「一人で楽しむ力」を身につけることができます。ここでユニークネスもどんどん育っていっているのではないかと思っています。
「親が忙しいとき」に備えてだけではなく、そもそも大事な「子どもが一人で熱中したり集中したりする時間」を日常から大切にしていけたらいいですね。そのために普段から子どもとの関わりでちょっと意識してみるといいことがあります。
①一人で集中、熱中できるものを育んでおき、そのタイミングで存分にやってもらう
日常の中で、その時間が短くても長くても、子どもが一人で何かに熱中し、楽しむタイミングがあるはずです。それを見つけたら大切なことは「邪魔しない」ことかもしれません。多くの場合、子どもが一人で遊んでくれたらいいのにと思いながらも実際に一人で遊び出すと「何をしているのかなあ」と気になって声をかけたり、口出ししたくなってしまったりするケースも多いと思います。そこをぐっとこらえて見守ることはとても大切でしょう。それによってさらにその「一人時間」を楽しみ、深めることができ、それに伴って時間も長くなっていきます。
そして、もしも介入する良さがあるとしたら、「別の楽しみ方」の提案ができるということです。ここで大切なことは「提案」というスタイルです。あくまでもこの自分のお楽しみ(学びの遊び)の世界の決定権を持っているのは子ども本人です。そこを尊重しながら、その子の「楽しむ力」の育みを応援してあげてはいかがでしょう。
私の知っている子どもで、ペットボトルと洗面器と水があれば1時間でも2時間でも集中して遊ぶ(学ぶ)4歳児がいました。きっとその時間の中で多くの実験やエンターテイメントをして楽しんでいたのでしょう。1時間も2時間も邪魔されない環境というのはなかなかないかもしれませんが、そういう時間を多く持てた子はさらに自分の興味や楽しさに長時間没頭していくでしょう。
一人で深める、楽しむ、という素敵な時間を日常の中で意識的に応援していきたいですね。
②いくつかのステーションをイベント的に用意してそれを順番に楽しむ
上記の①の時間を長く楽しむ子もいると思いますが、割と短時間で違うことをやりたくなってしまう子もたくさんいると思います。これは良い悪いではなく個人差があり、また、タイミングによっても変わると思います。
そんなとき、ステーションをいくつか用意しておくのはいかがでしょう。ステーションというのはご存知の通り「駅」ですが、家の中にいくつかの駅を用意して、子どもに電車になって一駅ずつ回ってもらうのす。
たとえば、粘土ステーション、スライムステーション、お絵描きステーション、レゴステーション、パズルステーション、電車&車ステーション、おままごとステーション、お買い物ステーション、カードステーション、シールブックステーション、お人形ステーション、ミュージックステーションなどなど子どもの好きなものの「駅」をイベント的につくるのです。
ポイントは、子どもが好きなものかつ一人ででもできるものであること、そして、イベント的にその日のその時間だけのステーションにしておくことです。ステーションはみただけで何ができるかわかる感じで素敵にアイテムを並べておきます。特別感を出すことで、子どもはワクワクそこに行きます。一つが終わると次のステーションに行き、それが終わるとまた次のステーションに。もしかしたら途中で前のステーションに戻りたくなるかもしれません。そうなるとかなりの時間を楽しく過ごしてくれるでしょう。
私もたまに娘の保育園のお迎えの前にステーションを4つくらい用意して、帰ってきたら「ジャーン!」と言いながら(笑)それぞれのステーションを紹介し、それぞれを好きなようにまわって遊んでもらいます。先日は、おしゃれステーション(鏡やアクセサリー、洋服などがありおしゃれができる駅)、カードステーション(大好きな人にお手紙をかいたり色を塗ったりシールをはったりする駅)、ミュージックステーション(楽器と歌の絵本でたくさん歌ったり踊ったり演奏したりできる駅)、おやつステーション(大好きなおやつを楽しめる駅)でした。それに取り組んでいる時間はなるべく彼女が一人時間を楽しめるように見守るようにしています。一緒にとことん遊ぶ時間と、一人遊びを楽しんでもらい邪魔しない時間を分けることはとても大切だと感じています(うまくできない時もありますが(汗))
このように、忙しくなったときに初めて準備するのではなく、日常からちょっと意識的に一人集中熱中時間やステーションタイムを取り入れていき、その時間が楽しくなる工夫をしておくのは子どもたちにとっても非常に有効かもしれません。娘もステーションタイムが大好きになって、自分で次はこのステーションをつくりたい!と提案をしてくれたり自分でつくったりするようになりました。
自分だけの特別な時間、「楽しむ力」を育む時間、自分のワールドを深めてユニークネスをはぐくむ時間、大切にしていきたいですね。
みなさんのお子さんや生徒さんはどんな「一人熱中集中時間」や「ステーション」を過ごされるでしょう。もしよろしければ試してみてください!
お読みいただきありがとうございました。
このブログ記事に関連する神経科学の視点からの音声ブログ(あおとのぉと)はこちらです
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