こんにちは。青砥美穂です。
今回は、できない、苦手だと思っていることとどう向き合うかということを一緒に考えさせていただきたいと思います。
みなさんのお子さんは、苦手なこと、苦手な教科などありますか?
よく生徒たちや親御さんたちから、苦手な教科やできないことに関する相談をうけます。もちろん、誰にでも得意不得意があるのは当然のことなのですが、これまで多くの生徒たちと向き合ってきた中でよくよく苦手なことをみてみると、本当は苦手ではなくて、単に「苦手意識」が邪魔をしているだけというケースが多いです。
誰かや何かのちょっとした発言や出来事がきっかけで苦手だと思い込んでしまったこと。取り組んでいるうちに、苦手だというのは思い込みで、苦手意識を克服することで実は得意だったり、好きだったりという例も多々みてきました。
不必要な苦手意識を持つと、せっかくのチャンスを遠ざけたり逃したり、本来持っている素晴らしい才能に気づけなかったりなどとてももったいない状況に陥ってしまうかもしれません。
今日は、何かができない、苦手だと思って落ち込んでいる子どもや生徒たちと向き合う時に役立つことが多かった取り組みを二つご紹介させてください。
①一旦「苦手」から離れて「得意なこと・できていること」に意識を向ける(自信を取り戻しノッテいる状態をつくる)
何かができなかったり苦手だと思いこんだりする時、本人も周りもそのことばかりに気持ちがいってしまい、全てがダメなような気持ちになってしまいがちですよね。脳の仕組みを考えるとそんなふうにネガティブな方向に注意がいくのは当然なのですが、そこを、とても単純なことなのですが、あえてコントロールし、できていること、得意なことに意識を向けてもらいます。
自信を持っていたり、ノッテいたりするとき、人の集中力、理解力は格段に高まりますよね。その力を借りるのです。
以前、国語の成績はものすごく良いのですが、算数が苦手だと大いに落ち込み、算数がある日は朝からお腹が痛くなり学校に行きたくなくなると話してくれた生徒がいました。それなので、親御さんとも話し合い、算数に取り組む前に必ず国語のほうに意識を向けてもらい、国語が得意なことの再確認、どうしてそんなに国語ができるかの話し合い、そして実際国語に取り組んでもらう時間を持ってから算数に取り組むようにしてもらってみました。
すると、自信を取り戻したところで算数に取り組むため、ずっと理解力が高まり、また、つまづいたときも「国語がこんなにできるんだから算数もできるはず!」と自分に言い聞かせることで粘り強く取り組めてどんどんできるようになっていったのです。
勉強に限らず、他にも似たような例をたくさんみてきました。自信、ノリのパワーはやはりすごいですよね!
みなさんもお子さんが苦手に取り組む時や何かができなくて自信をなくしているとき、意識的に今できていること、得意なことに意識を向けたり話し合ったりする時間をもってみてはいかがでしょう。
②好きなことや人、興味があるトピックと結びつけて取り組む
①のあとにできたらさらに効果的なのですが、苦手だと思っていることやできないことを自分の好きなことや人、興味のあるトピックと絡めて学んでみるのはいかがでしょう。
以前、英語が苦手で大嫌いという中学3年生がいました。「英語に興味を持てないし、授業がつまらない。テストの点数も最悪!」と話してくれていました。そんな彼女はディズニーが大好きでした。
それなので、毎回ディズニーと英語を結びつけて学べるように準備 し、ホワイトボードに彼女が答えたくなるような質問も用意しておきました。
例えば
・ Have you ever been to Disneyland Paris? (パリのディズニーランドに行ったことがありますか?)
・ What is your favorite Disney movie? (ディズニー映画は何が好きですか?)
・ Can we watch the movie together? (その映画一緒にみませんか?)
などなど
彼女が来てホワイトボードの英語をみると「わっ!ヤダ〜、英語嫌い〜!」と言いながら読み出しましたが、だんだんと目が輝いてきました。そして、伝えたいことを英語でどう伝えられるかを一緒に整理し学びながら、大事な会話をすすめていきました。
また、一緒に彼女の好きなディズニー映画を英語で見たり、行ってみたいと話してくれたアメリカフロリダのディズニーワールドのyoutube動画を英語で観て情報収集したりしました。
「ディズニーのことなら頑張って英語を使えそう!」とか「英語が使えたらディズニーワールドさらに楽しめそう!」などのコメントをしながら彼女はどんどん英語(でディズニー)を学んでいき、さらに英語をつかってディズニーを深める喜びを知ったようです。テストの点数もぐんぐん上がり、今では英語が好きで得意科目になりました。
他にも、苦手なことを大好きな人、尊敬する人に教えてもらったり、ゲームが好きならゲーム性をもって学んだりなど好きなこととの組み合わせで苦手だと思っていることを学んでいくのはとても有効な手段だと思います。
そして、こんなふうに苦手の克服をみてくると、苦手だと思っていたことは果たして本当に苦手だったのか、あらためて疑わしく思えてしまいます。
みなさんも、ご自身やお子さん、生徒さんが苦手意識を持ってしまっていることが本当に苦手なのかの検証、そして好きや興味の掛け合わせ、よろしければぜひ試してみてください!
お読みいただきありがとうございました。
このブログ記事に関連する神経科学の視点からの音声ブログ「あおとのぉと」はこちらです
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