4月になり、新しい年度が始まりましたね✨
多くの子どもたちが、新しい保育園幼稚園、学校、クラスなど、今までとは違った環境でスタートをきっていきます。ワクワクドキドキの期待と、不安や恐怖と色々な気持ちが入り混じっていることでしょう。
そんな中でワクワクドキドキしながらもスムーズにスタートを切っていく子たちもいれば、未知の環境への不安や恐怖心からつまづいているようにみえる子どもたちもいるのではないでしょうか。
毎年この時期になると、たくさんの保護者の方々から後者の子どもたちを心配する相談をいただきます。学校に行きたがらない、とても辛そうに見える、毎朝しくしく泣いているなどなど。そんな我が子をみるのはやはり辛いですし、どうしようもなく心配になってしまいますよね。
ですが、この「子どもが辛さを乗り越え新しい挑戦をする時期」は、視点を変えてみると親子で一緒に成長できる絶好の機会と捉えることもできそうです。
今日は、この一見大変で辛い日々になりそうな新年度の時期を子どもと一緒に絶好の学びの機会に変えるため、持っていたら良さそうな視点を2つ共有させてください。
① 「必ず終わりが来る」ということを何度も思い出す
とても単純なことなのですが、愛する子どもが落ち込んだり取り乱したりするのを見ると忘れてしまいがちな視点です。子どもが慣れない環境、新しい人間関係や仕組みに打ちひしがれる時期には必ず終わりが来ます。
わかりやすい例は、保育所に通う乳幼児でしょう。初めてパパやママと離れて新しい環境に入っていく時、ほとんどの子どもが大号泣しますよね。私はプリスクールで仕事をしていたとき、この子どもたちの泣く様子を「この世の終わり泣き」と呼んでいました。子どもたちにとっては、生まれた時から愛して守ってくれていた存在と離れ離れになるのでそれはそれは不安で寂しくて怖くて、この世の終わりのような気持ちと泣き方になるのではないかと感じたからです。ですが、そんなこの世の終わりのような不安や恐れを抱えていたとしても、最終的に慣れない子は一人もいません。時間がたてば新しい環境でリラックスするようになったり楽しく遊び始めたりします。もちろんどれくらい時間がかかるかは個人差がありますが、多くの場合、半年もすれば徐々に慣れていきます(長いお休みがあるとまた戻ってしまっているように感じられるかもしれませんが、それでも確実に慣れていっています^_^)
ところが「必ず終わりが来る」という視点を忘れてしまうと、強い危機感や焦りが出やすくなってしまい、一緒になって深い悩みの渦に入ってしまったり、逆にそんな子どもを頭ごなしに否定することで、より子どもも自分もさらに負の方向に向かってしまったりしてしまいがちですよね。これは、子どもの不安や焦りを一緒に増大させてしまうという非常にもったいないパターンにつながっていく可能性が高いです。
そんなときに、これはみんなが通ってきた道で、必ず終わりが来るとご自身に言い聞かせてみてはいかがでしょう。
「こんな時期も今だけだ」と「現状」を「過程」と捉えることで、まずは自分自身の心に余裕を持たせ、不安よりも応援の気持ちで子どもと接するのです。親が余裕を持っているだけで、子どもにもポジティブな影響が増えるでしょう。そして、もしこんなふうに自分を落ち着かせ子どもやその状況を眺めるることができたら、それはご自身の成長につながるかもしれません。(私も生徒たちや娘と接する中で何度も思い出し、助けてもらった視点です)
② 乗り越えたらすごい力がつく「貴重な学びのフェーズ」と捉える
新学期、子どもたちが「未知の世界に対する強い不安や恐怖」を抱えているのなら、それはものすごい学びのチャンスかもしれません。
というのも、誰でも最初は新しい未知の世界に対しては負の感情を持ちやすいですよね。生物的にも当然の反応です。だからこそ、それを乗り越えて成長につなげ、かつその経験をもとに「未来に出会う未知の世界」に対するポジティブな気持ちも増やせたら、この時期は「貴重な学びのフェーズ」にほかならなくなるからです。
そんな成長のチャンスを活かし、応援するために、また2つの例を紹介させてください:
a) 少しでも安心できたり、リラックスできる工夫をしてみる
不安いっぱいの新しい環境で、少しでも安心できたりリラックスできる要素を増やすお手伝いをしてみるのはいかがでしょう。例えば、お守りやお手紙を渡し、それをその新しい場所でみてもらえるようにしたり、お弁当がある場合は、大好きなおかずや大好きなキャラクターをいれてみたり、など。不安や恐怖で仕方ない場所で、その子が少しでもホッとできたりクスッと笑えるような要素にアクセスできるようにしてみます。子どもと相談しながらどんな工夫ができそうか考えてみるのも良いと思います。それらのものが新しい環境に慣れることの大きな助けになってくれるかもしれません。
私も昨年、娘が保育所通い始めて「この世の終わり泣き」をしていたとき、彼女の手にマジックで彼女の大好きなうさぎやニコちゃんマークを描いてから送りだし、寂しくなったらそれをみてもらうようにしていました。ある日「ニコちゃん見てたから今日は泣かなかったよ!」と帰ってきて、驚いたことを覚えています。
b)その日の頑張り(ナイストライ!)を讃える声がけや儀式をする
新しい環境で頑張る子どもたちを讃える声がけや儀式は非常に有効かもしれません。たとえ、その日がうまくいかなくて落ち込んでいても、新しい環境で泣いたとしてもいいんです。子どもがその日を頑張ろうとしたこと、頑張ったこと、それを讃える言動や行動をしてみるのです。
不安な気持ち、怖い気持ちに寄り添ってもらえて、讃えてもらえたら、心のパワーをぐんと高めることができますよね。
あるお母さんが、新学期に学校にいくのを嫌がり無口になっていた息子さんに対して、いつもお説教ばかりしていたのをあらため、「新しい環境、慣れないところに行くのは不安だし怖いよね。それは当然だと思うし、ママもそうだったよ。」と気持ちに寄り添う声がけをされたそうです。すると、その瞬間から息子さんの表情が柔らかくなり、怖い気持ちや不安な気持ちをたくさんお母さんに話すことで落ち着いて学校に通って行ったというお話をききました。
我が家でも昨年は、娘が慣れない保育所から帰ってきたら(どんなに泣いたとしても)その日を乗り越えたことをお祝いしていました。おやつのパンやおにぎりなどにキャンドルをたてて(当時、娘がケーキのろうそくを消すのが大好きだったため)ハッピーバースデーソングのメロディーで「保育園がんばったよ〜♪」と歌って最後にろうそくを吹き消してもらっていました。
今の自分の状況はダメなんじゃなくて「ナイストライ」なんだ!と理解することは、エネルギーや自信となって積み重なり、成長につながっていくことでしょう。
そして、そんな視点をもち、行動することで親も一緒に成長していけるのではないでしょうか。
新学期、新しい環境に飛び込んで頑張る子どもたち、それをあたたかく見守る親御さんたち、一緒にかけがえのない経験と成長に結びつけていけたら素敵ですね✨
お読みいただきありがとうございました。
続いて、脳神経科学からの音声コメント(あおとのぉと)はこちらです:
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