ある時、小学生の女の子が泣きながらやってきました。
どうしたのかきいてみると、
「友達に仲間外れにされて寂しかった」と。
それは辛かったね とハグをすると
「でも、今泣いている理由はそのことじゃないの」と。
どういうことかと、よくよくきいてみると
「ここまで来る車の中で友達に仲間外れにされたことをママに話しながらわんわん泣いていたら、
自分の話をきいたママも一緒に泣いて、それにビックリしたのと嬉しいので今は泣いてるの」
そう話してくれました。
もう何年も経っていますが、忘れられないエピソードの一つです。
お母さんの愛情を強く感じて力もらったという彼女は、勇気を出して次の日も学校に行き、「自分には何があっても自分を大事にしてくれる人がいる!」と思うことで友達の意地悪がそれまでより気にならなくなり、そうこうしているうちに仲間外れにされなくなったそうです。
「ママに生意気なことばっかり言ってたけど一番私を守ってくれるのはやっぱりママだなあ」としみじみ話していたのも印象的でした。
子どもたちの世界にもいろーーーーんなことがありますよね。私たちもそうだったように、悩みに押しつぶされそうになる日は多かれ少なかれ子ども時代にも経験するのだと思います。
そして、もしそんな話を子どもが打ち明けてくれたら、みなさんはどんなふうに子どもと向き合いますか?
これまで子どもたちの話をたくさんきかせてもらってきて、こんなふうに子どもにとってどうしようもなく辛い時こそ、親子の絆を深める大切な機会になりやすいんだなあと感じています。
様々なケースに伴走させてもらい、どんなふうに向き合うかというところにこそ親御さんの素敵なユニークネスが溢れていて、いつもたくさん学ばせてもらっています。
一緒に涙を流して「寄り添う」ようなケース
敢えて「突き放す」ケース
子どもの葛藤を「見守る」ケース
などなど、他にも様々なケースがあり、親御さんによって子どもとの関係などによって表現方法は異なりますよね。
ある中学生の子どもが進級して新しい環境になかなか慣れずメソメソしていた時、それまでは優しく寄り添うことが多かった親御さんが、
敢えて、
「メソメソしてばかりいないでちゃんと自分で解決しなさい!あなたならできるから!!」
と突き放したそうです。
びっくりしたその子は、一瞬ひどく落ち込んだものの、「自分ならできる」って言ってくれていた言葉が響き、とにかく慣れよう!楽しもう!自分ならできる!!と心の中で唱えながら過ごしたそうです。そうしているうちに楽しくなってきて自信がついたことを嬉しそうに話してくれました。それ以来何かにつまずいても「あなたならできるから!」と言われた言葉をよく思い出すそうです。
どう向き合うかということにも唯一解なんてないですよね。それぞれのユニークネスに加えて、タイミングによっても変わってくるでしょう。
本気で子どものことを思って、それを表現する
それに尽きるんだなあ、そうすることで子どもに伝わることがあるんだなあというのを、子どもたちの話から強く感じます。
愛しい我が子が辛い目にあうことは、親にとっても非常に辛いことです。
ただ、ここには子どもの偉大なる成長の種と、親子の絆を深める絶好のチャンスが隠れていると言うこともちょっと知っておきたいですね(^_^)