こんにちは。青砥美穂です。
最近、学生たちと話していて
ああ、人は環境でこんなにも変わるんだなあ
多様性が認められる環境で子どもの個性はこんなにも輝くんだなあ
そんなことをあらためて強く感じました。
話した学生の一人は、出会った2年前、通っていた小学校で息苦しさを感じ、そこに通うことが難しくなっていました。何か一つ大きな問題があったということではなく、彼自身がみんな同じであることを強要される雰囲気の学校にどうしても馴染めなかったそうです。それでも「学校には行ったほうがいい」「行かなくちゃ!」そう思って何度も行こうとしたようですが、どうしても身体がついてきてくれず1年以上学校に行けないまま過ごしていたそんな頃に出会いました。
彼が感じていた「違和感」について詳しく話してもらい、その違和感の鋭さ、素敵さ、また自分の違和感を大切にすることの大切さもあるんじゃないか、そんなことを話し合いながら過ごし、エネルギーが充電できた頃「やはり友達が欲しいから学校に通いたい!」と決めた彼は、思い切って今までの規則が多く同質の学生たちが揃っていることが期待されていると彼が感じていた私立の学校を離れ、自由な校風の公立の中学校に環境を変えました。校則もほとんどなく、制服もない中学校です。それから1年と2ヶ月、彼は新しい環境で休むことなくとても楽しんで学校に通っています。
「違いが認められる環境が居心地がいい」
「一人一人違うのが当たり前でみんな面白い」
「みんな違ってみんないい」
「『普通』なんてない」
そんな言葉をイキイキ話してくれていたのが印象的でした。以前の学校と比べて身を置いているカルチャーが大きく変わり、多様な考え方や行動が受け入れられる環境にいることで、自分が自分らしくいられることはもちろん、過去に対する捉え方も変わっていました。
以前は「学校に行っていなかったことについてとても後ろめたさを感じている」とか、「違和感を感じやすい自分が嫌い」などと言っていたのが、「学校に行っていなかった自分もOK!」「むしろこれが自分!違和感を持つ自分が好き!」と胸をはって思えるようになったと話してくれました。ものすごい変化です。これからも違いを楽しみながら「自分」という人間を肯定して磨いていきたいそうです。
そしてもう一人の女子学生。彼女は、小学生時代、問題児としてよく先生に叱られ、親御さんもしょっちゅう学校に呼び出されていました。授業中のおしゃべりが多い、態度が悪いという指摘が多く、そんな中で、彼女は自分に自信が持てず友達ともあまりうまくいっていないようでした。
当時は会うたびに、「学校がつまらない」「行きたくない」と話していました。
それが、中学になってコースを変更しインターナショナルコースに入ると、カルチャーが変わり、授業中たくさん話すのは歓迎され、個性を大事にしてもらえるようになったそうです。
「自分が問題視されるのではなくポジティブにみてもらえる環境だからこそ、どんどん自信がつき、成績も上がり、セルフイメージが高くなったから友達ともうまく付き合えるようになった」
と高校生になった今、冷静に振り返っていました。
当然のことながら、人は環境でこんなにも変わります。
二人の話をきいて、あらためて多様性が受け入れられる環境の大切さを感じました。子ども時代に多様性の中に身を置き、さまざまな個性が尊重される経験ができたら、生涯の宝になり本当に素晴らしいことだと思います。
今、どこかの環境で問題児扱いされていたり、息苦しさを感じたりしている子どもたちも、その子の強みが認められる環境に身をおくことができたらきっと輝き出すと思います。
そんな環境がもっともっと増えていったらいいな、増やしたいな、と心から思っています。
お読みいただきありがとうございました。