こんにちは、青砥美穂です。
「自分を好きになる」
「自分を好きでいる」
このような言葉をみなさんはどう思われますか?
また、皆さんは、自分のことが好きですか?
「自分を好きになりたい」
無邪気にみえる子どもたちからこんな相談をうけることは、実は珍しいことではありません。
子どもたちも大人と同様、日々色んな経験をして、色んなことを感じ、考え、時に悩んでいますよね。そんな中で、自分を人と比べてしまったり自分に厳しすぎたりして、冷静に自分の良さや自分の大切さを見失ってしまい「自分を好きになれない」ということは、いくつになってもあると思います。
また、深く悩んでいるわけではないけれど、「自分のことを好きかと言われるとそうでもない」「もっと自分を好きになれたらいいのに」というケースもあるでしょう。
いつも一緒にいる自分を好きになること
簡単なようで実はとても難しいのかもしれませんね。
今日は、こんな相談を子どもたちや学生たちがしてくれたときに、「一緒にやってみて良かった」「やったら良いかもしれない」と感じたことを5つ共有させてください。
*もちろんこれも一人一人、またシチュエーションごとに違って正しい答えなど存在しないのだと思いますが、いくつかの例として参考にしていただけたら、また、皆さんの方法など教えていただけたら、とても嬉しいです:
1. その子が大好きということを伝える
まず、とってもベタかもしれませんが、何より「私はあなたが大好きです」という思いを伝えています。
あなたがあなたを好きになれないときがあっても、私はいつもあなたが大好き
ということを力一杯伝させてもらっています。これがどれほどの力になるのかはわかりませんが、決して邪魔にはならない材料だと信じています。一人でも自分を好きで大切に思っている人がいると知ることはこんな状況で大切なことのように感じます。そこから自分を大切にしたり好きになったりするきっかけをもらえるかもしれません。
私たちの文化では「あなたを好き」ということはわざわざ伝えないことが多いですよね。「好きなんて当たり前だからわざわざ言わない」と。
ですが、それが相手には全然伝わっていないというケースもあります。子どもが親の気持ちに関して勘違いしていることは実はとても多いです。
以前、自分のことが大嫌いで悩んでいたSちゃんは、お母様に「あなたが何より大切な宝物」と言われてどんなにびっくりしてどんなに嬉しかったかを話してくれました。「こんな私だから、お母さんに嫌われていると思ってた。」と涙ながらに語っていました。そのお母様の言葉を励みに、何かあるたびに思い出しては、自分のことを大切に、好きになるきっかけとしているそうです。
2. 自然の力を借りる
多くの人が経験されていることだと思いますが、自然の癒しパワーをもらいに行きます。緑の芝生、木々の生い茂った公園、川、海などなど、行ける範囲で子どもたちと出かけます。自然のそばにいくと、悩みにがんじがらめになっている私たちの緊張した心や、こわばった体が少しリラックスできて、他の要素が入ってくる隙間を空けてくれるような気がしています。また、偉大なる自然の近くにいくことで、今の自分の状況を俯瞰して冷静にみられるようになったり、同じ自然の一部である自分への愛が湧いてきたりするかもしれません。
子どもたちの様子をみていても、自然の近くで過ごしたり対話をしたりすることが「本当の自分に立ち返る」「ありのままの自分を受け入れる」そんな心の状態をつくるお手伝いをしてくれている気がします。
天気の関係で外が難しそうなときは、緑のたくさんあるカフェに行ったり、とにかく環境を変えるということもやっています。 ゆっくり呼吸ができて副交感神経が優位になるような場所、環境が視点を穏やかなものに変えるサポートをしてくれる可能性が高いと思っています。そして、一緒に少し歩いたり、あったかいお茶を飲んだり、好きなものを食べたり飲んだりするのも心が落ち着くのを手伝ってくれるということを子どもたちから教わりました。
3. 「自分を好き」と感じた時の記憶をたぐりよせる
どんなに自分を好きになれない状況でも、過去に「自分を好きだなあ」とか「こういう自分が心地いいなあ」などと感じた経験はあると思います。
その記憶を辿り、そのときの状況(どんな人、こと、もの、状況などと一緒だったか)をリストアップしてみます。それにより、好きな自分は誰といるか、どんな環境にいるか、何をしているときの可能性が高いかなどを眺め、それが意味することをさらに深ぼっていきます。
そしてまた自分を好きになる状況を再現する条件を整理していきます。これにより、自分の価値観をさらに知って、また「自分を好き」と思える環境をつくりやすくなるかもしれません。
4.あなたの素敵なところリストづくり
こんな悩みの中にいるときは、もしかしたら自分のできないところ、いたらないところにばかり注意が向いてしまい、「自分の素敵なところ」にはなかなか目が向かないかもしれません。それなので、「自分の強み」「素敵なところ」「自分の好きなところ」などを抽象から具体までたくさん整理させてもらいます。
たくさんの質問にこたえてもらいながらまとめたものに、私からその子の素敵だと思うところ、好きなところも山盛りいっぱい付け加えて「あなたの素敵なところリスト」をつくり、それを最後はレターにして渡します。可能なら、家族にもあなたの素敵なところ、好きなところをインタビューしたり、お手紙にしてもらったりしてさらに付け加えます。
以前、 このレターを一緒につくったMちゃんは、今でも何かあるとその手紙(私とつくったものと家族からのもの)を見返して自分に自信を取り戻し、また自分で時々書き足したり家族にも書き足してもらったりしていると笑いながら話してくれました。
5. 感謝タイムをもつ
ちょっと視点を変えて、あなたが今『感謝している人、こと、もの』の話をします。
「感謝をする」「それを伝える」という行為もまた、不思議なことに自分自身の中にたくさんのエネルギーと愛を与えてくれますよね。
ですから、今自分が感謝したい人、こと、もの、つまり「自分の中の大切なもの」に気づき、あらためて感謝する時間をもちます。そして可能ならその感謝を、その相手(人、こと、もの)に伝えます。
Tくんは、自分の良さを見出してくれた学校のある一人の先生にすごく感謝していると言い、そのことを話しているうちに「先生に感謝していたら、その先生が大事にしてくれた自分自身に自信と好意が湧いてきた!」「実は、感謝って相手に向かっているようで同時に自分にも向かっているんですね。」と話してくれました。
自分の大切なことを大切にすることで、自分のことも大切に思えたり好きになるお手伝いをしてもらったりできるのかもしれません。
以上のようなことをこれまで子どもたち、学生たちに教わりながら一緒にやってきました。
自分を好きになると、人生がより楽しくなったり幸せを感じられたりすることが多くなりそうですよね!もし参考になることがあるようでしたらぜひやってみてください。
そして、みなさんも自分を好きになったり好きでいたりするために何かされていることがありましたら是非ご共有ください♡
お読みいただきありがとうございました。
続いて、このブログの内容に関する脳神経科学からの音声コメント「あおとのぉと」はこちら
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